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2016.10.13「マリメッコというブランド」

現在、西宮で開催中の「マリメッコ展」。

グラフィックとテキスタイルとファッションのデザインが本当に親密に正三角形を形成していた、古き良き時代。ジャクリーヌ・ケネディのあのサックドレスもマリメッコだった。1963年の「ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン」紙はマリメッコの服を「インテリのユニフォーム」と呼んだ。スミスやラドクリフの女子大生がこぞって服を買い求め、それが「ライフ」誌を飾った。こうして、60年代のアメリカでマリメッコのブランド神話は確立した。

ブランディングについて言えば、1952年にマリメッコのロゴを何人かのデザイナーに依頼した創業者のアルミ・ラティアは、提案されたデザイン案がどれも気に入らずに却下。その時たまたま側にあったアメリカのインテリア誌に使われていたオリベッティのタイプライターの書体に魅せられ、それをベースにいまのロゴの前身が創られたと言う。

シンプルで普遍的なものこそが時間と境界を乗り越えることができる。そのことを熟知していたアルミの知性と先見性。そして、アルミのビジョン通り、マリメッコはファッションからアクセサリー、食器から室内装飾に至る、文字通りのライフスタイルブランドとして、グローバルにその力強く、ポジティブなブランドの世界を広げていくのだった。

西宮大谷記念美術館で2016年11月27日(日)まで。

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